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金象嵌(きんぞうがん)の文字

先週、福岡市埋蔵文化財センターに展示されている
『庚寅銘太刀』(こういんめいたち)を見学してきました。

2011年9月、福岡市西区元岡•桑原古墳群から発見された
「鉄製の刀」のレントゲン写真を撮影したところ、
刀に19字の漢字が書かれているのがわかりました。

それより顕微鏡などを使って、
錆や汚れを落とすクリーニング作業がずっと行われていましたが
ついに金象嵌文字が現れ公開されています。(2015.1.23 〜 3.31まで)

※入場無料で写真撮影もOKです!!

『大歳庚寅正月六日 庚寅日時作刀 凡十二果□』(□は練か)
と書かれていて
『寅の年、寅の月、寅の日。寅が3つ重なる縁起の良い日に、
12回(=何度も)刀を叩き鍛えて、素晴らしい刀をつくりました。』
という意味だそうです。
「庚寅の年」は60年に1度巡ってきて、日も60日に1度 「庚寅の日」が
あるそうで 銘文どおりに年と日の両方が「庚寅」になる確率は、なんと3600分の1。
で九州大学の古代史の先生が調べたところ、
西暦570年1月6日に庚寅(年)庚寅(日)が実在するのだそうで
銘文どおりだと約1500年前って!!凄すぎです〜




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文字は(1文字約5mm〜8mmくらいかな)
彫刻刀で彫った溝に、金をはめ込む、金象嵌という手法で
刻まれていて、古墳から出土した銘文刀剣としては国内3例目だとの事。
毛筆で書いたような丸みをおびた書体で、筆とトメ、ハネや曲線も見事に
彫っていて格段に美しい書体だそうです。



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こちらはラトビアの刀鍛冶職人の映像。
内部を320層にするため、3種の異なる金属を5枚重ね合わせ
溶接し、叩き鍛え、ねじり折りたたむ事 8回繰り返す事で
うまれる美しい木目状の模様。
映像も音楽もいいね〜



Commented by nageire-fushe at 2015-03-01 13:02
古代の人の祈りを感じさせる
そんな象嵌の文字ですね。
この時代、今と違い道具も素朴なので
気持ちこそ大切なのだと改めて感じます。
Commented by applejackcocktail at 2015-03-02 00:34
nageireさん こんばんは。

祈りを感じさせる文字とは、素敵な表現ですね。
1500年前といえど職人の気持ちが伝わってきます。
by applejackcocktail | 2015-02-27 17:49 | 季節/イベント | Comments(2)